Vol.4
菅野 恒平
-Invisible Memories-
Concept
Invisible Memoriesは、祖母が今も住む福島県・川俣町の震災後の様子と、2016年に日本に帰国したことで過去の記憶となっていくNYでの日常を、併せた作品です。この作品は、震災が起こったという記憶を含んだ、僕自身の本当に個人的な記録です。今なお、沢山の不確定要素を残したまま、原発事故後の福島の問題は過去の記憶になろうしています。
写真は、2つのイメージがランダムに2回プリントされていて、多くの場合は福島とNYのイメージです。すべてのイメージは2度、違う組み合わせで登場します。多重プリントによって不鮮明になった各イメージは、2つの組み合わせを見て初めて何が写っていたのか分かるかもしれません。あるいは、同じ写真を2回見ることによる既視感は、脳みその中でデジャヴを起こし、写っているのが知っているかもしれない人や、行ったことのある場所かもしれないという錯覚に陥るかもしれません。
Profile
1982年生まれ。2004年日本大学芸術学部写真学科卒業。
Exhibition
2015年 New Japanese Photography / Doomed Gallery, London
2013年 Lose/You / The Jane Hotel, NY
2013年 Organix:Contemporary Art from the USA, Curated by Diego Cortez, Luciano Benetton Collection / Venice, Italy
2013年 Space Cadet Actual Exhibition #2 / Turner Gallery, Tokyo
2012年 The Wild & The Innocent / Clic Gallery, NY
2012年 Reverberation / Bohemian, NY
2011年 We Are One 2nd / Camel Art Space, NY
2011年 We are One / Gallery 61, NY
2011年 Expressions in Photography / Grace Institute, NY
2010年 Self Published, Be Happy Exhibition/Library / Photomonth Krakow, Poland
2010年 Salon Show / The Greenpoint Gallery
2006年 Paper Life / Sundries, Tokyo
2006年 SHISEDO from designers / Shiseido shiodome, Tokyo
2005年 SHISEDO from designers / Shiseido shiodome, Tokyo
Publications
2015年 JP_EN ISSUE.2
2014年 12 IMAGES FOR 2015(Calendar)
2012年 Unseen/Tsunami
2011年 Honeymoon
2010年 The Boy With The Thorn In His Side
2008年 Tabinotameni
Website
Comment
川俣(福島)の彼の祖母の自宅と、ニューヨークの最近の彼の自宅の画像を混ぜ合わすことは、私の好奇心をくすぐった。 これらの濃厚な断片的な画像は、新しい経験を蓄えとして、私たちの記憶が絶えずリコンテクスチャライズドされる方法の象徴的働きをする。 記憶を思い起こすとき、それが私たちの神経回路網に移動すると以前読んだことがある。 それは、心と想像力が我々の生活の展開を処理し、絶えず加えられるという方法によって生き返らされる、新しい記憶となる。
シャーロット・コットン | キュレーター・写真評論家
私は数年前、菅野のSF同人誌に遭遇し、彼の作品の奇妙さに感動しました。 私は密接なポートレイトと付加記号画像を混ぜ合わせた彼の写真から湧き上がる美しさと欲望を楽しみました。 私は日本と米国の間で留まる彼の世界に魅せられ、彼の作品の幾つかの実験的性質を賞賛します。菅野は,『Invisible Memories』で、非常に感動的な効果と共に、NYCでの彼の過去の生活、そして彼の家族の出身地の写真を層にし、さらに崇高な夢のような国へ移動するのです。
ブルーノ・ケシェル | Self Publish Be Happyディレクター